ピューターとは昔からヨーロッパで利用された金属で、錫(スズ)を主成分としてアンチモン、銅などを加えた合金です。
柔らかく延性が高いため、鋳造・削るなどの加工(装飾)がしやすいという特徴があります。
その歴史は古く、約4000年も前のエジプトの墓からピューター製品が出土しており、約2000年前のローマ人は
既ににピューターを利用していました。
中世になるとピューターの人気が急速に高まり、錫の産地であったイギリスを中心にヨーロッパに普及していきましたが
12世紀頃までは富裕層しか所有できない高価なものでした。15世紀になって庶民の間でも利用されるようになると
テーブルウェアとして爆発的に普及し、17世紀に最盛期を迎えます。その後、18世紀になって陶磁器製テーブル
ウェアの大量生産が始まり安価で手に入るようになるとピューター製品の人気は翳りを帯び、20世紀以降機能性や
価格面で勝る陶磁器・プラスチック・ステンレスに主役の座を奪われ、ピューターは日常の食卓から姿を消していき
ました。
しかし、酸化しにくい(錆びにくい)・装飾性に優れているといった特徴から伝統工芸としての評価が確立され、
現在でもピューター製品を愛する人は少なくありません。
今回ご紹介するのはピューター製の食器をフランスで6代に渡って作り続けてきた老舗ブランド「ル ポティエール
ドゥタン」の製品です。
装飾の美しいフレーム達
こちらはゴブレット。科学的な理由は不明ですが、ピューターには水を浄化し、お酒をまろやかにする作用があると言われています
カトラリーレスト。箸置きにどうぞ。
エッグスタンドやルーペなど。
シルバーのようにピカピカではないいぶした銀色の雰囲気が、人々に愛され続けている理由です。
皆様もお店で実際に手に取ってみて下さい。