上の2枚の写真は表参道店の2階の工事前と工事後のものです。最初この窓を見た時、このまま窓枠つけて部屋を作っても絶対にいい部屋はできないと思いました。横長の間延びした窓はカーテンにどんなにいい生地を使っても、どんなにいいデザインのカーテンをしても良くは見えません。そこで手前に新たな壁を立てて窓が二つあるように作りこみました。これによってきれいなシンメトリーが出来上がり、ケーシングが素敵な額縁になりました。ここは外にすぐ隣の建物の壁が見えますが、もしここにいい景色が広がっていても、こうすることで、縦長の窓から切り取られた景色は額縁のなかの絵のように見えます。さらにカーテンをすればカーテンの縦横の比率でカーテンの良さが最大限に引き出せます。カーテンというのは縦長の窓のほうが良さが出るのです。さらに、幅広のケーシングと壁紙のコントラストで、壁紙の良さも引き出されます。壁紙の良さというのは、別に対比するものがあるとさらに引き立ちます。
もしも、ここまでの作りこみができないのであれば、正面中央のフィックス窓の部分だけウッドブラインドをして左右の窓だけをカーテンにする方法があります。そうすることで窓が二つ左右対称にあるように見えます。
この2枚の写真は表参道店の1階窓です。この窓も同じような考え方です。外の景色がいいからと大きな窓をつけるより、バランスよい壁作り、窓作りをすると、家具のレイアウトもうまく行きますよ。窓と壁のバランスは部屋作りで最も重要な要素だと私は考えます。これまでたくさんのお部屋を見せてもらいいろんなアドバイスをしてきましたが、この手の窓の家ほど厄介なものはありません。家具のレイアウト等である程度は良くなりますが、限度があります。新築をしたり、マンションを買ったりする際にはぜひこの点を考えてみてください。わからないとか自身がない方はぜひご相談ください。数枚の画像と図面で的確なアドバイスはできると思います。